
タイ在住のライターゆっきーです。
厳格な国であるタイが医療大麻の研究について踏み切るというニュースがありました。
東南アジアで医療大麻が認められている国は韓国に次いでタイが2番目です。
タイも本来であれば、マリファナの栽培や販売は違法とされています。
しかし、2018年5月に薬用のマリファナの影響など研究を進めることを認める立法案が内閣に承認されました。
日本も同じように法律でマリファナは禁止されてますが、同様のタイがなぜ研究に踏み切ったのか?
ニュースを調べることで背景が見えてきました。
医療大麻とは?
医療大麻(いりょうたいま)時に医療マリファナとは、大麻に含有されるテトラヒドロカンナビノール (THC) やその他のカンナビノイド、あるいは、それらに類似した構造を持つ合成カンナビノイドを利用した生薬療法である。
大麻とはいわゆるマリファナのことで、服用すると気分が高揚したり、まどろんだりするようなイメージを持っている人も少なくないでしょう。
しかし、医療大麻は、上記のような「精神活性作用」のない成分であるCBDの濃度が高く、
反対に精神活性作用のあるテトラヒドロカンナビノール (THC) の濃度が低い物を使用しているため
効能が大きく異なります。
タイは医療大麻の研究を進めていく方針を示した
ニュースによると、政府の医薬品機構(GPO)は、主に4つの病気治療薬を製造するため、
予備段階としてまもなくマリファナの臨床試験を開始するとのこと。
すでに、麻薬捜査で押収した100キロのマリファナを医療研究機関に引き渡しているそうです。
さらに医療用マリファナを栽培するために温室の建設を検討しており、研究チームは供給された植物から10~15リットルの純粋なマリファナの油が抽出できると予測しています。
この油の用途は、てんかん・末梢性腎症の治療などの薬品を開発する際に使用したり、化学療法やモルヒネの代用品として、副作用を減らすことを目的としています。
GPOのディレクターDr.Withoon Danwiboon氏によると、
植物を栽培して自身の研究センターに送ることで、治療に最適な薬をタイの人々が手頃な価格で手に入れることができるようになるとのこと。
タイの公衆衛生省は、代替治療の1つとしてマリファナを推進しています。
また、専門家同士の相互評価によって得られた見解として、この植物が多くの病気に関連する痛みの軽減を助け、アルツハイマー病やパーキンソン病に苦しむ患者にも使える可能性があると示唆しています。
タイの地形や気候はマリファナの栽培に適していて、大きな節目になることでしょう。
カナダ、オーストリア、ベルギー、チェコ共和国、フランス、そしてアメリカの多くの州では、すでにマリファナが医療目的で合法的に使用されています。
オランダの患者は適切な健康保険に加入していれば、医療用大麻の購入費が返ってくるそうです。
米国立開発研究所、またNida Pollによる世論調査によれば、タイ人の72%以上が医療目的でマリファナを合法化する動きを支持している。
記事ソース
https://www.bangkokpost.com/news/general/1546686/medical-marijuana-trials-to-start-soon
タイ同様に少子高齢化が進んでいる日本も、アルツハイマー病やパーキンソン病なども他人事ではありません。
日本では医療大麻の研究が他の先進国に比べて25年ほど遅れていると言われています。
他国の流れを汲み取り、多様化に目を向けることも必要なのではないかと思わされるニュースでした。