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減給をしたい時の対処方とは?

カテゴリー:マネジメント

クライアント情報:ゴルフレッスン、キャディ派遣の会社

 

クライアント:質問があります。減給についてですが、

月給23万円から10万円減給を3ヶ月間実施した場合、法に抵触しますか?

 

アサンテ社会保険労務士事務所(以下アサンテ)

その方のお給料を働いてる時間で割って、最低賃金を超えていないかが重要です。

また減給について、就業規則に書いてないのであれば、懲罰は与えられません。

 

クライアント:当人の1ヶ月のおおよその労働時間は以下です。

  • キャディ→5時間×4日=20時間
  • 掃除→3時間×20日=60時間

合計80時間で、減給後の時給としては1,625円になります。

 

アサンテ:かなりの時給ですね!

 

クライアント:研修生で環境を整えてあげたいと、もともと23万円の基本給にしていました。

最大でいくらまで減給できますでしょうか?

 

アサンテ:減給の理由は何になりますか?

 

クライアント: 減給の理由は、会社の信用を失いかねない行動を取ったと判断したためです。

アサンテ

まず減給の制裁は、

「違反行為1回につき、①減給が1回の額が平均賃金の半額を超え、

②かつ総額が一賃金支払い期の賃金総額の10分の1を超えてはいけない」と、

労基法91条で制裁規定があり、おそらく就業規則には、同じ内容で規定されていると思います。

そして平均賃金の算定方法は、時給で換算するのではなく

「当該事由が発生した日以前3か月間に支払われた賃金総額/当該事由が発生した日以前3か月間の総暦日数」で算定します。

今回のケースは平均賃金が不明ですが、月給23万円の10分の1は23,000円なので、月に10万円を一気に減給することは法91条に抵触します。

まず、今回の減給対象の労働者の違反行為がどのような行為かを具体的に確認する必要があります。

そしてその違反行為が、就業規則の減給する場合の懲戒事由に則って、客観的に妥当な制裁といえるかという点です。

それらを踏まえて、違反行為が「減給事由」に該当する場合であれば、

①3か月間ではなく長期間にわたって、法91条に抵触しないように約30万円(10万円×3か月)を減給していく。

②賞与で減給する。(賞与には法91条の規定は適用されません。)

などで対応すると良いと思います。

当該違反行為が就業規則の懲戒規定等に照らして妥当な制裁かを確認・判断することが重要です。

後々労働トラブルなどが起こる可能性もあるためです。

 

クライアント:ありがとうございます。懲戒処分は簡単にはできないのですね。従業員に労働審判を起こされる前に聞いておいて良かったです。ありがとうございます。

 

このように、企業と従業員間の問題において、

社会保険労務士では法の観点でお答えすることが可能です。

お気軽にご相談くださいね。

アサンテ社会保険労務士事務所